東京都杉並区高円寺北2-20-1 グリュッケンビル4F

JR中央・総武線 JR高円寺駅北口より 徒歩3分

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血液検査

血液検査

毒素、透析効率に関するデータ

尿素窒素(BUN)
  • 目標値50~90mg/dl
タンパク質の代謝物質であり食事の影響を受ける。
低値:タンパク摂取不足
高値:タンパク摂取過剰・透析不足
異化亢進(絶食・カロリー不足・ステロイド剤使用) 
クレアチニン(Cr)
  • 目標値14mg/dl以下
筋肉の代謝産物であり透析不足・筋肉量増大で高値になる。
尿酸(UA)
  • 目標値10mg/dl以下
食品のプリン体過剰摂取・透析不足で高値となり痛風発作や痛風結節を形成する。 
カリウム(K)
  • 目標値3.6~5.5mEq/l
カリウム摂取過剰・透析不足・出血・溶血で高値となり重篤な不整脈から心停止することもある。透析患者様では一番大事。
カリウム摂取欠乏・下痢・嘔吐によりカリウム喪失し低値となり脱力、不整脈の原因となる。

貧血に関するデータ

血色素(Hb)
  • 目標値10~12mg/dl
ヘマトクリット(Ht)
  • 目標値30~35%
血清鉄(Fe)総鉄結合能(TIBC) トランスフェリン飽和度(TSAT) ※1
  • 目標値Tsat20%以上
フェリチン
  • 目標値100ng/ml以上
鉄の貯蔵庫であり、つまり体の中にどの位鉄があるか反映。 

透析合併症腎性貧血も参照ください。→

骨代謝異常に関するデータ

カルシウム(Ca)
  • 目標値8~10mg/dl
リン(P)
  • 目標値3.5~6mg/dl
ホールPTH
  • 目標値105pg/ml以下
副甲状腺から分泌されるホルモンで低カルシウム血症が続くと多量に分泌され骨からカルシウムやリンが溶け出し、骨がもろくなる。
初期には内服ビタミンD剤にてホールPTH値は改善する。
長期透析にて2次性副甲状腺機能亢進症を合併すると静注用ビタミンD剤やレグパラ内服等の治療が必要となる。
更に進行すると手術にて副甲状腺を摘出します。

副甲状腺機能亢進症について→

感染症に関するデータ

白血球(WBC)
  • 正常値3500~9000個/mm3
CRP
  • 正常値0.3mg/dl以下

栄養状態に関するデータ

総蛋白(TP)
  • 正常値6.7~8.3g/dl
アルブミン(Alb)
  • 正常値3.5~5.0g/dl
ドライウエイトを設定するのに使用します。

その他

β2マイクログロブリン(β2MG)
  • 目標値40mg/dl以下
低分子タンパクの一種で腎臓から排出されるため腎不全になると正常の10陪以上血液内に貯留します、貯留したβ2MGに何らかの因子が加わるとアミロイドと呼ばれる物質になり筋腱などの軟部組織やさらに骨に沈着し透析アミロイドーシスを引き起こします。
(手根管症候群、仙骨部アミロイド結節、アミロイド沈着による腱断裂など)
ヘモグロビンA1c(HbA1c) ※2
  • 正常値4.3~5.8%
血糖降下剤投与中の治療目標値6.5%以下

副甲状腺ホルモン(PHT)

詳しくはこちら→

(腎性)副甲状腺機能亢進症

詳しくはこちら→

※1.トランスフェリン飽和度(TSAT)とは
飽和度は以下の式で算出します。
当院では電子カルテで確認ができます。

TSAT(%)={血清鉄/(血清鉄+UIBC)}×100

鉄の評価と補充療法についてはこちら→


※2.HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)
血管内でブドウ糖がヘモグロビンに結合してHbA1cとなり、全身に巡ります。 血液中のブドウ糖が多ければそれと結合する量も増え、値として高くなります。その指標は採血したその日の1.2か月前の糖尿病の状態といわれております。透析をしている場合、腎性貧血の治療で赤血球造血刺激因子製剤(ESA)投与によって、幼若赤血球の割合が増え、HbA1cが低値になる傾向があります。確かに貧血の状態は1,2か月前とは違っている場合があり、過小評価してしまう場合もあります。 現在、GA(グルコアルブミン)といい、アルブミンと結合した状態を見ることで2週間(半減期 約17日)の糖尿病のコントロールを見る方法が勧められておりますが、現在透析患者における管理基準や目標値が設定されておらず、ガイドラインで今後作成されると思われます。