超音波(エコー)検査
当院で行う超音波(以下 エコー)には
1.腹部エコー 2.心エコー 3.シャントエコー 4.頸動脈エコー 5.下肢動静脈エコー 6.副甲状腺エコー 7.乳房エコー
とさまざまな事が可能です。
エコー検査はレントゲンなどとは違い被爆の心配がないので安心です。
1腹部エコー
年に一度のエコーを当院では行っております。
この検査で肝臓、胆嚢、腎臓、脾臓などの臓器の異常を早期に見つけることができます。
それぞれの臓器の腫瘍性病変のほか、脂肪肝・胆石・胆のうのポリープ・腎嚢胞・腎結石・膀胱結石などがわかります。
腎不全になると腎臓に数mm~数cmの嚢胞(のうほう)が出来ます。その嚢胞がガン化することがあり、早期に診断することで治療に進むことが可能と言われております。
2心のエコー
心臓の大きさや動き、血の流れをみる検査です。心筋梗塞などで動きが悪くなっていないか、血液が逆流、または弁狭窄などにより流れにくくなっているかどうかなどを判断します。
透析患者様の場合、体内に水分が溜まって心臓に負担がかかっていないかどうかも調べることができます。
- 心機能評価………………心臓の収縮力の評価、心臓壁の厚さ、形など
- 弁疾患……………………大動脈弁・僧帽弁・肺動脈弁・三尖弁の逆流、石灰化などの疾患
- 虚血性心疾患の評価……壁運動の異常の領域・程度の評価
- 心膜・心筋疾患の評価…心嚢内に心膜液貯溜など
- 心腔内異常・構造物……疣贅( 細菌感染によっておこるもの) 、血栓など
透析後に行うことでドライウエイトの適正も判断することが可能です。
3シャントエコー
4頸動脈エコー
動脈硬化により頸動脈に狭くなっている場所がないかを調べ、脳梗塞にならないように早期に見つける検査です。左右頸動脈の血管内の石灰化、内膜肥厚により脳への血液の流れが悪くなります。
検査所要時間は20分程度です透析前、透析後いつでも検査が可能です。
- 血管内膜肥厚(IMT)の有無
- プラークの性状(硬さ)・・プラークがはがれると脳梗塞の原因ともなります。
※プラークとは、血管の内腔面に限局的に突出した病変のことです - 血液の流れの把握・評価・・・狭窄の有無がわかります
これらをみて、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりする動脈硬化の指標
5下肢動脈エコー
下肢動脈閉塞症(ASO)※は透析をしている方には生命に関わる大きな問題の一つです。
ASOは全身の動脈硬化の部分症であり、心血管疾患(狭心症、心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞)の合併率が高いと言われております。近年、透析歴が長くなるにつれてASO患者数が増加しております。ひどくなると下肢切断にまでいく怖い病気です。
脈波(脈波の項目を参照)で異常を指摘された方に どこの血管が狭窄(せまい)か閉塞(つまっているか)などくわしく見る目的で行っております。検査時間は30-45分程度です。
足の痛みがある方はご相談ください。
※日本では、「閉塞性動脈硬化症(Arteriosclerosis Obliterans;ASO)」と呼ばれている疾患ですが、海外では、「末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease;PAD)」という疾患名が一般的です。
6副甲状腺エコー
透析患者さんにおいては、電解質(Ca、P)、活性型ビタミンDが適切に補正していない場合、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が刺激(副甲状腺機能亢進症)され、血管の石灰化、骨病変(線維性骨炎)が生じる。さらに長期にPTHが持続的に分泌されると、副甲状腺過形成が起こり、大きくなる。定期採血でPTH高値の方にエコーをお勧めしております。
7乳房エコー
年齢を問わず女性の方には年1回の定期検査をおこなっています。他部位の癌と同様に早期診断が可能である。透析患者さんにおいても乳癌の発生率は高くこの検診も重要である。今までに当施設でも数名の患者さんに早期乳癌が見つかり、根治手術が行われ、経過は順調で現在も外来透析を続けておられます。マーモグラフィーより痛みがない検査なので是非検査を受けることをお勧めします。